簡易シナリオ集:魂を削るもの:「第3章 人々に絶望をもたらすために」
【導入】
12/29日の深夜。霧深いその夜の冷え込みは、とても厳しいものです。しかしテムズ川はまだ凍りついてはいません。PCの一人がエンバンクメントを歩いていると、奇妙な陰が水面に浮いているのを発見します。それは霧の中で屹立した姿をしています。最初は何かのブイかと感じますが、よく見るとその姿は人間のものです。人間が水面を歩いているのです。しかもその影は、先日の事故で死んだはずのジョセフ・オーガスタス・デッドエンドの姿です。
しばらくすると、老人もPCに気付き、水面を滑るようにして近づきます。そしてPCに対して「これは、私の全世界に対する復讐だ」と言います。そしてまた「お前もこの苦しさを味わうが良い、そしてこの苦しみの源は、なんだ?!」と問いかけます。そして彼は内ポケットから奇妙な装置を取り出し、スイッチを入れます。するとどこからともなく憂鬱な音楽が聞こえ、PCは無条件に『絶望』します。
『絶望』を与えたデッドエンドは、哄笑を残しつつ、その姿は次第に霧の中に隠れて見えなくなります。彼は自らの発明品を利用して、水面を滑るようにテムズの水面を移動できるのです。
この『絶望』しているPCを発見し、手を差し伸べるのはハンドレッド・コークスです。また『絶望』に陥ったキャラクターは、すべてのPCに対して呼び込みを行うこともできます。コークスは、「彼は生きていたのか……。あの昔のデッドエンド老人とは思えない。すっかり変わってしまっている」とつぶやきます。
【展開】
PCを助けたコークスは、デッドエンド老人を探し出したいとPCに告げ、できれば協力をしてもらいたいと依頼します。もしも、あの老人を放っておいたら、今犠牲になったPCのようなことがもっと大規模で起こるかもしれない、とも告げます。コークスはできれば老人を警察に突き出したくないし、自ら保護したいのだと要望します。
デッドエンドが自らの死を隠して倫敦に潜伏しているという話は、情報屋からも得ることができます。彼はテムズ川沿いのスラムに潜み、来る日のために研究を続行しているのです。スラムの地図は情報屋を巡ることで比較的簡単に手に入れることができます。しかし問題はスラムに中流階級以上の人間が入るのは中々に骨が折れるということです。
■準備すべきデータ:テムズ川沿いのスラムの地図
スラムに入っていこうとすると、そこの住人に追い出されるかもしれません。買収と権力とコネクションと言いくるめを巧く使って、スラムの迷路を抜けて下さい。迷路を抜けると、デッドエンド老人の実験室とも言える小屋にたどり着くことができます。
【結末】
残念ながらデッドエンド老人を追い詰めることはできません。その小屋は既にもぬけの空です。小屋の内側の壁には、デッドエンド老人の直筆と思われる金釘文字で「お前達の運命は、お前達自身に与えられたものではない。お前達は自ら亡ぶべき異端種なのだ。水晶の振り子は『絶望』をもたらす。Happy Holidays !」と書かれています。彼は「熱い魂を持つ者」をターゲットにしているのです。小屋には先日水面に浮くために利用したと思われるパンクガジェットなどが放置されています。水の上を歩くための機械は持ち帰ることもできます。詳しく小屋を調べると、何冊もの物理学の研究書などが発見されます。
■準備すべきデータ:書籍やいくつかのパンクガジェットに関するデータ
【備考】
現在デッドエンド老人は錯乱状態にあります。先日の爆発事故を装って老人を殺害しようとしているのはハンドレッド・コークスその人です。彼は老人を葬り、その研究成果を盗もうとしています。
目次
コメント
『仮想人格』の紹介となる要素を付け加えるべき。老人の小屋に仮想人格プログラムカルテが用意されているとか。by3peta.icon2018/8/26 14:03